日本式テクノリージョンの作り方

我が国でテクノリージョンを立ち上げる場合、都道府県や市町村の区切りで候補地を絞るのは好ましくない。

現代人(特に我が国の都市人においては)は自治体単位ではなく、鉄道沿線毎に生活圏を形成しているからである。

他国はいざ知らず、我が国では面ではなく線を活用した方が好ましい。
「日本国は鉄道網を中心とした世界最大のメガロポリスである。」
その実情さえ踏まえていれば、自ずと我が国独自の手法に思い至る筈である。

 

100年前に小林一三が発明した田園都市構想と、その副産物であるニュータウン在住ニートを活用する。
私がニートニューロンと呼ぶこの導線上に、我が国のテクノリージョンを生み出していく。


以前から疑問があった。
「我が国(我が県に)にシリコンバレーを作る。」
と嘯く連中に対してである。

 

先端知的産業の集積地は一般に「テクノリージョン」と呼ばれる。
そして米国の代表的テクノリージョンこそが「シリコンバレー」であり
中国のテクノリージョンこそが「深セン」である。
故に、我が国にシリコンバレー深センは生まれ得ないのだ。
ただ、国体と国情に即したテクノリージョンなら生み出すことが可能である。

 

シリコンバレーは太平洋戦争でドイツ軍を打ち破ったフレドリック・ターマン博士(無線工学)が一個の才覚器量を以て立ち上げた。
深センは数十年にも渡る革命戦争と政争の勝利者である鄧小平が一個のビジョンに基づき立ち上げた。

本来、テクノリージョンとはこういうものだ。
国家/民族が防衛戦略を目的として傑出した個人の独断で設立する特別区域なのである。

 

であるからこそ。
それを認識し明言出来ない人間に生み出せないし、生み出す資格もない。

 

少なくとも私は、一連のテクノリージョン設立活動を日本人の存続の為に行っている。
民族が生き延びて行くには技術とそれを担保する拠点が必要不可欠なので築く。
それだけの理由だ。

 

シリコンバレーが西部で起こったのには理由がある。
スタンフォードの有望な若者達が卒業と共に全員首都のある東部に去ってしまう事をターマンは憂いていたからである。
※今やシリコンバレーには世界中の賢才が集うようになった。

 

深センが広東で起こったのには理由がある。
対岸の香港を租借する英国に中華民族の富と権威が流出している事に鄧は憤っていたからである。
※鄧は英国が永久領土と定めていた香港島を奪還した。

 

繰り返すようだが、テクノリージョン(かつての堺もそうだ)は、国情による必然と個人の執念の力にのみよって生まれる。

 
我が国は例示した両国とは面積も人口も立地も異なる。
故に無定見なコピーは百害あって一利ない。
殖産興業の為の技術拠点を立ち上げるなら、日本の独自性を活かせる地域を選ぶ事が好ましい。

 

 

私は阪急電鉄沿線を選んだ。
理由を挙げる。


・提唱者である私に土地勘がある。

・長らく我が国の首都が据えられた地域である為、歴史的正当性を主張し易い。

・比較的所得が高いため民度が高い。

京都大学/大阪大学に代表されるハイレベルな学校機関が集まっている。

小林一三が発案した田園都市構想の発祥地であり、未だに機能している。


これらは昔から知られてきた事であるし、特に目新しい視点ではない。
関西の人間なら(言語化はされていないとしても)みな理解している事であろう。

上記5点の賜物であるのだが。
加えて私が重視している要素が「ニート資源」の豊富さである。
教育やら躾を受けたニートがこの阪急沿線には腐るほど埋蔵されていて、それらには使い道がある。
ニート団体の代表である私が言うのだから間違いがない。
阪急沿線には世界で最も良質なニート資源が埋蔵され、線路で繋がっている。
いや世界一緻密な我が国の鉄道網を鑑みれば、このニートニューロンは日本全国に繋がっていると言えよう。
(沖縄人よ安心せよ。 前もってニートギルド沖縄支部を設立しておいた。 私は沖縄ニートも絶対に見捨てない!)

 

要は人である。
複数の学校機関が鉄道網で繋がっている状態は知的産業を生み出す上で非常に好ましい。
そして、トップの学生同士を交流させる空間をターミナル駅前に設置する事で結合は完成する。
隙間はニートが埋める。
本当にそうなるのだ。
私はこうやって我が国にテクノリージョンを立ち上げる。

 

まず、ターミナル駅前のテナントに私がギルドハウスと呼ぶ私設の研究所を入れた。

このギルドハウスはオープンにせず、最初からリーダーを指名し彼のパーティーで独占使用させる。
(オープンスペースは全ての意味でコストが嵩む)
彼のストレスにならない相手だけを迎えて貰う。
例え私の紹介でも気に食わない人間は叩き出してくれて構わない。
スペアも含めて鍵を全て渡した事が誓いの証拠である。

 

つまり。
「現役で稼働している若者が超一等地の研究室兼サロンを占有している状態」

を作った。

 

これは言うまでもなく既存の大学研究室システムのアンチテーゼでもある。
学生は、ポスドクは、老人が教授室を独占し続ける為の奴隷ではない。

無論、全ての老教授の成果が搾取と剽窃の賜物であるとは思っていないが
現にかつて功績があった者や評価された者がその地位と待遇にしがみつく為に優秀な後進の活動を妨げている。

 

おまえだ。

 

その弊害を除けば、我が国は更なるステージに進むことが出来る。
ギルドハウスは、この考え方に基づいて立ち上げた。


もっとも所詮は一つのテナントビルの話である。
これだけで明日の大が成し遂げられるとは考えていない。
ただ、この手法には再現性がある。
駅前のテナントビルを借りて、有望な若者にラボとしてくれてやるだけだ。
どんな馬鹿にでも再現可能だし、この条件を備える他国は意外に少ない。
(この文章は絶対に外国語訳するな、拡散もするな。 ただ無言で実行せよ。)
この手のスペースが増え密度が高まり人士の交流が起こったなら、それが我が国のテクノリージョンなのだ。

以上が日本式テクノリージョンの作り方である。

 


ここで私が死んでも計画の進展に何の問題もない。
今貴方に託し終えたからだ。