今日ギークギルドを立ち上げた。
今日、阪急沿線のとある駅前のテナントビルの賃貸契約を済ませた。
使用者は自分ではない。
テック系の研究者グループである。
『ギークギルド』という名前をでっち上げた。
私が『ニートギルド』の代表者である話は彼らにはまだしていない気がする。
「彼ら」というコンテンツを起点に産業を生み出すのが私の構想なのだが、現時点では何人の理解も得れていない。
無反応は彼らも同様なのだが、一応気を遣ってくれているのか、テナントを「ギルドハウス」と呼んでくれている。
律儀なことだ。
私は非エンジニアなので技術の事は何一つ解らず、本音を明かせば興味もないのだが。
日本にテクノリージョンを創出するという目標に執着している。
最初は何の知識もない状態で、技術同人誌の即売会を開催した。
「銭けっと」という呼称が不評だったので、他の団体も呼び込んで「技術大祭」と改名した。
他人様に技術同人誌の執筆をしつこく教養した埋め合わせとして、数冊執筆した。
平賀源内の遺作を現代語訳したのは我ながら良い仕事だったと思う。
ある程度は人が集まってくれた。
私に徳望があった訳ではない。
会場が難波駅に直結していて便利だったのだ。
次にエンジニア向けのバーを開業した。
底辺亭という名前は単なる私の亭号なのだが、世間様には奇異に映ったらしく、思いのほか名が広まった。
尖ったコンセプトだけに優秀な人材が集った。
どれくらい優秀だったかというと、私が自慢気に見せた源内本の誤字脱字を瞬時に指摘してくれる位には優秀だった。
それなりに人が集まってくれた。
私に徳望があった訳ではない。
店が梅田駅に近く便利だったのだ。
店の開業と同時に技術同人誌の読書会イベントを立ち上げた。
全国津々浦々で燻る英才達に東京で起こっている技術同人誌ムーブメントを伝えるのだ。
北は北海道から南は沖縄まで日本を縦断した。
メジャーな都市の人間はそうでなかったが、僻陬に住まう人々からは感激や警戒や驚嘆を以て迎えられた。
青森人や大分人からは「何をしに来たのですか?」と真顔で質問された。
決まっている。
君のその表情を見に来たのだ。
コロナ騒ぎで店を畳んで、技術大祭も流れて。
東京でスタジオを開いた。
元々細々とやっていたナレーションやら歌唱やらの収録で糊口を凌いでいる。
生活もあることなので、我が魂の神曲『ゆっくり音頭』をギークギルドのテーマソングにしようと思う。
まあ、そんな事はどうでもいい。
底辺亭と引き換えに立ち上げた新会社(客から引き抜いた)のメンバーにテナントを提供する。
私の計算が正しければ、産業の核がここから生まれる。
我が国にシリコンバレーや深センとは異なった形のテクノリージョンが誕生するのだ!
問題は精密極まりない筈の私の計算が当たった試しがないことなのだが。
今回は大丈夫だ。
何故ならギルドハウスの運営に私が関与しないからである。
完璧な戦略から無能を排除すれば、残るのは勝利の二文字のみ。
今日ギークギルドを立ち上げた。
覚えていれば、このブログで経過を報告する。